2023-09-29

オランダ・アムステルフェーン子連れ駐在家族生活〜出国から到着後の流れ

2022年から夫の海外転勤に帯同して、幼児とともにオランダのアムステルダムの隣町、アムステルフェーンAmstelveenで暮らしています。旅行とはやっぱり違う、子連れの海外暮らしについての記録です。

キューケンホフ公園Keukenhof

我が家は駐在員として滞在しているので、同じ日本人でも個人で事業や店をなさっている方や、現地採用の方と比べれば、引越しや一時帰国の補助、保険など、夫の会社からの補助は手厚く、ぬるま湯に浸かっていると思うこともあります。

そして駐在員と一口に言っても、単身か、家族連れかなどでも大きく違うと思います。そもそも元のお給料が違う上、駐在員は会社の福利厚生の内容で生活は大きく異なります。住居手当(全額補助、一部補助、上限ありなど)、車(貸与、貸与なし、ガソリンの会社負担の有無)、保険内容、学校の補助(何歳から手当が出るか、日本人学校のみ対象か、インターナショナルスクールも対象か)、日本の書籍や食料品を発注できるサービス(日販IPSなど)を利用できるかなど、あげたらキリがありません。

オランダでは、駐在員の多くの方は地元の方と税金制度が異なっているので、国からの手当の内容が違う分、会社が手当をしてくれていると考えるとわかりやすいかと思います。Amstelveenは日本人の方が多く暮らされているので、日本人コミュニティはありますが、同じ日本人でも駐在員ではない移住、現地採用、国際結婚の方などの制度とは違うので、その点はお互いに配慮が必要かと思います。例えば、駐在員は入っている保険が異なる場合が多いので、医療費は保険で全額返金される(無料になる)ということが多いですが、駐在員でない方は、保険が異なるのでもちろん自己負担があります。

また我が家は夫の会社の規則で家族は基本的には就労できません。そのために家族は夫の会社から生活費をいただいています。ビザ自体は就労可能で、家族も就労が可能な会社もあるようです(勝手に働くとトラブルになるので、必ず確認が必要です)。ですが、本音を言えば、手当の厚さと実際に現地で働いた諸々を天秤にかけると...という現実もあります。もちろん私の語学力不足も否めません。

何より「数年後に日本に帰る、他国に異動する」ことが決まっているので、かりそめの生活です。

そして、単身、子どもの有無など家族の形によって悩みも違うでしょうし、別の国から引っ越して駐在が続いている方の悩みともまた違うかもしれません。

それでも日本とは異なる環境での生活、子育ては難易度は高めなので、経験したことを書くことで、これから同じような生活をする方のお役に立てればと思います。

赴任決定から出国準備

  • 夫の駐在研修
  • 健康診断、予防接種(破傷風、A型肝炎)
  • 歯科治療
  • 国際免許証取得
  • 夫のオランダへの荷物送付(航空便、船便):航空便(2週間ほどで到着)は夫がすぐに必要なもの、船便(2カ月ほどで到着)は家族が到着時にすぐ使いたいものを入れる
  • 自治体に夫の転出届提出

✈︎夫出国✈︎

  • 世帯主変更による保険、子育て給付金関連の書類調整
  • 仕事を辞めて夫の扶養に入って出国するため、保険関係の手続き、仕事の調整
  • 健康診断、予防接種
  • 歯科治療
  • 子どもの健康相談、予防接種(前倒しできるものは前倒しを相談)
  • 持ち家でない場合、賃貸解約、水道・ガス・電気・プロバイダ解約
  • 郵便物の転送手続き(実家へ)
  • アカウントを削除したくないサービスの住所変更(実家へ)
  • オランダ(航空便、船便)と実家(場合によっては倉庫の方も)へ荷物送付
  • 自治体に自分と子どもの転出届提出
✈︎夫に一時帰国をしてもらい、家族3人で出国✈︎

私が復職していたため、3か月は子どもと二人暮らし。実家、義実家も遠方でくたくたモードでした。さらに出国直前にコロナが再流行し、子どもが保育園で集団感染し、私も感染してしまい、大変なことに。どうやって二人で生き延びたか、記憶がありません。私は後遺症として息苦しさが半年ほど続きました。自宅療養が終わったのが出国の3日前ほど。出国の延期も検討しましたが、諸々の手続きを終わらせてしまっていたので、なんとかなんとか出国しました。

出国時にはしなかったものの、オランダで手続きしたもの(日本でやっていけばよかったもの)

  • 家族の国際免許証取得
  • 在外選挙人名簿登録(自治体に転出届を提出する際に申請すればオランダの大使館に申請せずに日本の選挙に参加できます。日本でしていかないと、現地の大使館で手続きをする必要があります)

オランダに送ってよかったもの(現地でも入手できるが高価格、品質に難あり、種類が少ないもの)+一時帰国時、夫の日本出張時に買い足しているもの

賃貸の場合、家具、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、調理器具、食器類、寝具、タオル類が、基本、備え付けられています。我が家にはハンドミキサー、ジューサー、ホットサンドメーカーなども備え付けでありました。(炊飯器は備え付けはないことが多いので、必要であれば、日本製では象印のものが現地で購入可能です。パンメーカーは日本製ではパナソニックのものが購入できます。いずれもt-falなどで低価格商品があります。)

そのまま使うか、ご自身のものに取り替えるかは自由ですが、備え付けのものは勝手に廃棄できないので、自分のものを持ち込むと追加の保存場所の確保が必要になり、妥協して備え付けのもので...という声をよく聞きます。ご主人が先に出国されている場合、何が備え付けられているのか、写真などで共有してもらい、送るものを選別することをおすすめします。また、送るか迷うものがあったら、送ってください。捨てるのは、車があれば日本よりも簡単です。粗大ゴミステーションAfvalbrengstationに持ち込めば無料で廃棄できます。申し込めば有料で引き取りもしてもらえます。

荷物の持ち込み制限、重量制限もありますが、海外生活の最初の頃は買い物もすんなりは行きませんし、オランダは物価が高いので、引っ越し業者さんに相談しながら、詰めれるだけは詰めるようにご準備されることをおすすめします。

食材も日系スーパーには売っていますが、高額で種類は少ないので、持っていけるものは持って行ったほうが、引越し後の忙しい時期のストレスが軽減されると思います。

荷物の詰め込み作業が始まってからも、追加で近所のスーパーや薬局に買い足しに行ったりもしました。我が家は日通さんでしたが、事前の下見から本当に良くしていただきました。おかげで気持ちよく引っ越しできました。ありがとうございました。

  • 食品:醤油、味噌、みりん、料理酒、鶏がらスープのもと、だしのもと、麺つゆ、ポン酢、酢、ソース、インスタント味噌汁、カレー、鰹節、のり、ごま、インスタントラーメン、コチジャン、中華調味料、ごま油、コチジャンなど韓国調味料、そば、うどん、薄力粉、強力粉(オランダでは小麦粉は中力粉が主流)、米粉、片栗粉、七味、一味、チューブの薬味、ドレッシング(好きな方)、お茶
  • 卵焼き用フライパン、土鍋、やかん、ホーロー鍋、包丁、キッチンバサミ
  • DVDプレーヤー(日本のDVDを見たい場合。DVDの形式が日本とヨーロッパで異なるので)
  • 箸、お気に入りがあればフォークやナイフ類、菜箸、しゃもじ、フライ返し、おたま、小鉢、ふきん、大根おろし器、ピーラー
  • 幅が20cm代のサランラップ、アルミホイル、クッキングシート(オランダのは幅が広いので)
  • ポリ袋(オランダにも売っていますが、素材や耐熱温度の記載がなく、常温のものを入れるしかできないので、料理に使いたい方はアイラップがいいのではないでしょうか)
  • タッパー
  • 弁当箱
  • 水筒
  • 100円均一の細々した商品
  • お菓子作りをする人は一通りのセット(お菓子系の方は薄力粉、パン系の方は強力粉。中力粉はどこでも手に入ります)
  • ティッシュペーパー(オランダは一箱1€以上するので)
  • 踏み台
  • ハンガー(現地のものはやや大きめ)
  • つっぱり系の収納棚
  • フック(貼って剥がせるもの、吸盤など)
  • テープ、のり、両面テープ、ガムテープ、ファイルなどの文房具
  • おすそわけなどに使える袋
  • 歯ブラシ
  • 歯磨き粉
  • たわし類(種類が少なく、日本のものに比べてもろいので、激落ちくん、グラス用、水筒用、風呂用、トイレ用など揃える)
  • ノンアルコール・無臭のウェットティッシュ(アルコール配合で香りのきついものは現地にいくらでもあります)
  • スリッパ(冬用も)
  • 網戸(オランダの窓は網戸がないので。自分で取り付けるものがamazonなどで売っています。網戸は現地でも購入可能。)
  • 雨具(かさ、カッパ)現地の人はあまり傘をささないです
  • 靴の収納(我が家は突っ張り棒タイプに引っ掛けています)
  • 車関連:車を現地でリース、購入される方は掃除グッズやボトルホルダーなどの準備を。
  • 自転車:自転車大国なのでどこでも買えますが、サイズや値段、品質を考えると、日本から送ることをおすすめします。子どもがいる方は、20cmなどの小さいタイヤではなく、大きめのタイヤの自転車に、子供乗せシートを前後に付けて、ヘルメット、雨カバー、頑丈なカギをセットで送ることをおすすめします。ただし、電動自転車は基本的には送れないので、現地で購入するしかないです。我が家はタイヤ20cmの自転車に前乗せ子どもシートを取り付けた自転車だけ送り、雨カバーは一時帰国時に購入。その後、幼稚園の送り迎えにはこの自転車では時間がかかりすぎるため、現地で低身長でも乗れる電動自転車を購入し、後ろに子供乗せシートを取り付け、一時帰国時に雨カバー、カッパを購入しました。
  • 嗜好品:日本酒、焼酎、あんこ、もち、せんべい など
  • 薬(風邪薬、解熱剤、のど飴、目薬、下痢止め)、サプリメント(葉酸、鉄など)
  • つめきり
  • 綿棒、耳かき
  • 子ども関連:食器(箸)、ベビーフード、おもちゃ、絵本、100円均一で買えるコーナーガードなど、服(セパレートタイプのキャミソールなどの肌着。オランダでは100cmくらいからしかセパレートの肌着が売っていない)、クレヨン、色鉛筆、カラーペン、子ども用はさみ、のり、画用紙、折り紙、シール、おむつ、おしりふき、おむつが匂わない袋、歯ブラシ、歯磨き粉、つめきり、綿棒、ハンガー、日本人学校に通う方は必要なものを事前に問い合わせて持参、薬(事情を言えば、多めに解熱剤や総合風邪薬、ぬり薬は多めに出してくださいます。都心、実家のある地方の病院、どちらも対応してもらえました)、幼児は子どもの室内遊具(冬場は寒すぎて外で遊ぶのが難しいので、準備されているお家が多いです。オランダには日本の室内滑り台+ジャングルジム+ブランコのような高機能かつ小さくしまえるものはなかなか売っていません。我が家は現地のものを買いましたが、日本のものを持参すればよかったと思っています)
  • 観光ガイドブック:地球の歩き方、るるぶ、ことりっぷなど:滞在中に行きたい国のものは持参がおすすめ。特にオランダ版はアムステルダム、ユトレヒトなど周辺の街へお出かけをするときに便利。個人的に、地球の歩き方のコラムには、オランダ人の気質や暮らしぶりがわかるものも多く、住んでみて読み返すと、参考になることも多いです。

現地のスーパーでも調達しやすいもの(価格も高すぎず、種類豊富)、荷物の重量や持ち込み制限で現地で調達することになるもの

  • 醤油(キッコーマンも販売あり)、砂糖、塩、胡椒、ケチャップ、マヨネーズ(キューピー販売あり)、パスタ、ツナ缶、サバ缶、コンソメ、カップスープの素、エスニック系調味料、サラダ油、オリーブオイル
  • 米:欧州産コシヒカリが日系のスーパーで購入可能
  • トイレットペーパー
  • キッチンペーパー
  • ジップロック
  • ポリ袋
  • ゴミ袋
  • タオル類
  • 洗剤
  • シャンプー、リンス、ボディーソープ
  • 化粧品(オランダは、クレンジング、化粧水、乳液という流れと異なるのでニッ本誌き)
  • ハンドソープ
  • ナプキン
  • おむつ(重量制限までは持ち込みをおすすめ)
  • おしりふき(重量制限までは持ち込みをおすすめ)
※洗剤、シャンプー類、衛生用品は使用感や香りなど日本と変わっても気になさらない方は持っていかなくても大丈夫ですが、異国の地で少しでもストレスを軽減するため、お気に入りのものがあれば、ある程度の数、持っていくことをおすすめします。現地で購入される場合は、香りがきついものが多いので、香りに敏感な方は無香料のものを選んでみてください。またオランダの割引システムが一つ買うと二つめ無料、など大量に買うにはいいのですが、一つだけ買うと割高になることが多い仕組みで、試し買いはしづらいことも念頭に置いておいてください。

※おむつは種類は少なめで、Pampers、スーパーと薬局にそれぞれのプライベートブランドがあります。テープタイプluiersが主流で、パンツタイプluierbroekjesもありますが、いずれも日本より高いです。パンパースは薬局などで割引で買っても1枚30セント(約50円)近くします。日本では1枚25円ほどなので、なかなか割高です。Pampersが良ければ、amazonなどで安くなっている時に購入(1枚25セント前後)してください。調査の結果、プライベートブランドの商品は、オランダでは1枚20セント前後で購入できればお安めです。我が家はパンツタイプでスーパーAlbert Heijn、ドラッグストアkruidvat、Etosなどを使った結果、昼寝・就寝時は漏れてくることが多く、Pampersに戻りました。おしりふきbillendoekjesの品揃え、価格感もオムツと同様、日本の2倍ほどです。睡眠時用のオムツ、プール用のオムツ、おむつ袋Luierzakjesも売っています。残念ながら日本の製品のように匂いを閉じ込めるのは難しいですが、香りはついています...。

携帯電話

電話番号を残したかったため、日本の携帯電話会社で月額1000円で海外で2GBまでデータ通信利用可能なプランで契約。追加で通信量が必要なときは数百円で購入も可能ですが、2年経過したところでは、毎月2GBを超えることはないです。

近頃電波の状況が悪いため、IDカード取得の際にいただいた、LEBARAのプリペイド式SIMカードを入れて、対応しています(空港などでも格安で購入可能なほか、無料でもSIMカードを取り寄せられるようです)。

アプリ

日本の携帯電話会社の場合も、iPhoneはappleID、Androidはgoogleアカウントをそれぞれオランダ用に作り、設定で国をオランダにすると、オランダでしか使えない送金アプリ・ティッキーtikkieなどが使えるようになります。

オランダに着いたら

  • 住居探し(夫):住居が決まるまで、アパートメントタイプのホテルに滞在しながら、各種手続きをしていくことが多いようです。オランダの都市部では一軒家はあまり見かけません。日本の長屋のような2-3階建てのローハウスかマンションタイプのフラットが主流で、駐在員で賃貸をする場合は、日系の不動産会社に依頼することが多いようです。会社の家賃上限、家族構成、ローハウスかフラットか、バス・トイレ別か一緒か、子どもが通う予定の学校からのアクセスなど、希望の条件を伝えて、いくつか紹介してもらいます。我が家は5軒紹介され、1軒は見学中に別の方が成約となり、残り4軒のうち、2軒はバス・トイレが一緒、1軒は家賃の上限を超えており、各所に調整が必要で、その間に他物件が埋まる可能性もあり、消去法で残った1軒に決めました。
  • オランダのIDカード取得
  • 居住市町村での住民登録(BSN取得:こちらがないと銀行口座開設、保険登録、ホームドクターGP登録ができません)
  • 銀行口座開設(カードが発行されます。このカードはデビットカード(PINカード)になっておりgooglepayやapplepayに連動できます。1枚のカードで複数端末に登録できます。オランダは現金、クレジットカードは使えない店が多いので、このカードで決済します。カードは追加料金を払えば同じ口座に紐づいたものを複数発行してもらえます。我が家は念のために2枚持ちです。)
  • 保険登録(会社経由が多いようです)
  • 運転免許証の書き換え(国際免許証の期限内に)
  • 子どもの健康診査のための家庭訪問
  • GP(ホームドクター)登録:一度登録すると変更するのが大変なので、少し時間をかけても情報収集をしてから、家からアクセスの良い場所で、評判の良いところに登録してください

日用品の買い足しに便利な店

一度、同じ商品でも低価格で買えるactionで買えるものを確認し、IKEA、HEMA、blokkerなどと比較すると無駄遣いが防げます。これらのお店では子どものおもちゃや雑貨も買えます。このほか、大きめのAlbert HeijnやJumboでもフライパンなどのキッチン用品はある程度そろえられます。ドラッグストアkruidvatでも日用品、おもちゃが安く売っています。

新生児〜2・3歳くらいまでのベビー用品はBabydumpに行くと大体そろえられます。日本よりは高いですが、コーナーガードなど細かなものも売っています。


少し余裕が出てきたら、HEMAのミッフィーnijntje(オランダでミッフィーはナインチェと呼びます)グッズや、dille & kamilleなどでカナルハウスグッズを探してみてください。